COLUMN machimoriのブログ

2030年に向けた始まりの12年 〜2019年にmachimoriが挑むこと〜

2019.01.21 / 3,761 views

あけましておめでとございます。
代表の市来です。
2019年がスタートしました。本年もどうぞよろしくお願いします。

私たちが2007年に熱海での活動を始めてからちょうど12年。これまでの一回りから、次の一回りの12年へ、今年は熱海の2030年の姿をつくるための始まりの年となる2019年としたいと思っています。私自身つい先日、40歳となりました。40代は新たな気持ちで、2030年に向けて走り続けたいと思います。

■衰退から再生へのこれまでの12年間
ここまでの12年を振り返ると、この熱海は大きな変化のあった12年でした。それまでずっと観光客数が減少し続けたところから反転し、観光客数が増え始め、まちなかを歩く人も多くなってきました。私たちのフィールドである、熱海のまちなかも、「エリア価値の向上」を掲げてmachimoriを立上げてから7年とちょっと。熱海銀座の空き店舗は1階部分ではあと1店舗となり、地価も上昇し始めたりと着実に変わり始めています。

熱海も銀座通りも単なる外的な要因ではなく、民間、行政の様々な街のプレイヤーの取組みによってこのような変化が起きてきたことはとても嬉しいことです。

■課題はまだまだ山積み
【増えるシャッター、そして駐車場】
熱海銀座や渚などまちなかの一部エリアではこのような再生の動きが出始めていますが、それが熱海のまちなか全体に波及しているわけではありません。すぐ近くのエリアを見ても、よりシャッター街が広がってしまっているエリアもあれば、場合によっては新たな人たちが入ってきたものの地域との関係がうまくいっていないというような声もちらほら聞こえてきたりもします。

また街なかの昭和の風情ある建物が壊され、駐車場や空き地となっていってしまうところも増えてきてしまっています。

【街なかにまだそれほど増えていないクリエイティブな30代】
また最近、もやもやと頭を悩ませていたことがあります。私たちが目指してきたのは「クリエイティブな30代に選ばれるエリアとなる」ということですが、そうしたクリエイティブな30代が思ったほどはまだまだ熱海の街なかに拠点を置くにまでは至っていないということです。

熱海のまちなかの風景が変わり、アート、音楽、食、熱海に熱海らしい新しいカルチャーが生まれる、そんなことを目指していましたがそれにはまだまだです。

【依然として課題が多い住環境】
また当初クリエイティブな30代に選ばれるエリアとなるというビジョンを掲げた背景には、熱海の街の20代〜30代人口の減少という課題がありました。そしてその減少の根本的な原因は、そうした若い世代が住みたいと思うリーズナブルな住宅がないことにあり、だからこそ街なかに住む場所をつくっていくということも重要なテーマです。しかし、それもまだなかなか着手できずにきました。

これまでのリノベーションプロジェクト

これから、よりスピード感を持って、まちなかに望む風景をつくっていくために、私たちはこれから何をしていくべきなのか?
私たちmachimoriはこれから、このようなことに取り組んでいきたいと思っています。

■家守(やもり)からmachimori(まちもり)へ
私たちが目指すビジョン、熱海が「観光と定住の間の多様な暮らし方ができる街となる」ことを実現するために、今年、私たちmachimori主に3つのテーマに取組みます。

1.熱海の街なかを「まちやど」化する
まち全体が宿となるように、まちに分散した宿泊スペースと、まちに飲食等のコンテンツを生み出す。

2.健康で快適なまちなか居住
街なかの空き家を活用し、シェアハウスや賃貸住宅をつくりだしていくだけでなく、建物の断熱化にも取組み健康で快適な住居を生み出していく

3.熱海銀座公園化計画
魅力的な中心市街地をつくっていくためにも、道路などの公共空間も活用し、まちなかをより住みたい、滞在したいと思えるエリアに変えていく。

これまでは、エリアに点を打つ取組みをしていましたが、それを線に、そして面にしていくことが次のフェーズです。さらに今後もエリアに複数の点を打ちながらも、それをつなぎ、面的な再生を行っていきます。そのためにも物件を一つ一つ再生していくことはもちろん、道路などの公共空間の活用の可能性も探っていきたいと考えています。

 

【パートナーシップを組み実現する】
これまで街なかに事業を次々と生み出そうと思っても、私たちmachimoriだけでは、なかなかスピード感もって実現することができませんでした。一方で99℃の取組みにより熱海の起業家を増やしプレイヤーを増やす取組みをしてきて多くのプレイヤーたちが生まれたものの、まちなかで事業を始める人はまだごくわずかです。

そして、さらに私たちmachimoriも、そうした起業家たちも、一人で、自分たちだけでなんとかしようとしても限度があります。だからこそ、一人でやるのではなく、これまで生まれてきた起業家たちとパートナーシップを組んで行きたいと考えています。

【街なかを消費する場から生産の拠点へ】
これからは街なかだけで稼ぐのではなく、熱海内の別の場所や、熱海の街の外でも稼ぐ人たちが、街なかに拠点をもつようになっていくことが大事であると考えています。熱海のまちなか以外でも稼ぎ、熱海のまちなかに拠点をもつという人たちが増えていくことです。熱海の街なかで生産した、ものやノウハウを、外に売り活用して稼いでいく人たちが増えていくことが、熱海の街なかを魅力的にしていくのではないかと思っています。
■不動産や事業、街の再生をプロデュースする
ここ最近、様々な事業者、企業の方々からまちの再生だけでなく、その方々の事業の相談をいただくケースも増えています。

これからも、熱海のまちなかの再生を中心のテーマにしつつも、熱海の街なか以外での不動産や事業、街の再生のプロデュースにも挑んでいきます。熱海の街なかのエリアリノベーションを通して、企画・運営・建物管理・人財育成までを一貫してやってきた私達だからこそできることもあるのではないかと感じるようになってきました。またこれは、私たちmachimori自身も街なかを生産の拠点として外でも稼ぐことを実践することにもなります。

また、そうした課題の解決や、新たな価値の創造はmachimoriだけで取り組むのではなく、熱海で出会ってきた様々なパートナーと組み、取り組んでいくことでこそ価値を提供できると考えています。
■私たちが目指すもの
私たちは12年前から「100年後も豊かな暮らしができる街をつくる」ということを掲げて事業を行ってきました。「人財育成を通して、  経済、社会、自然、文化資本を再生し、  持続可能な地域社会をつくる 」が私たちのミッションです。これまでは、経済と社会(コミュニティ)の再生に主に取り組んできました。12年経ったいま、改めて原点に立ち返りたいと思っています。つまり、経済とコミュニティとともに、自然と文化も再生する、ということです。街なかでの食やエネルギーの取組みを通じた自然の再生。そして、アート、音楽、温泉などなどを通じた文化の再生。これに挑んでいきます。

いままで街なかの再生を行うにあたって目標にしてきた、1.エリア価値の向上、2.平均所得の向上、3.街なかの人口の増加、に加えて、4.消費エネルギーの減少、ということも目標に加えていきます。

Think Globally, Act Locally

地方都市の衰退、コミュニティの希薄化、自然環境の破壊というグローバルに直面する問題。そうしたことに、熱海のまちなかという足下からの取組みを、これからさらに進化させていきたいと思っています。

「世界を変えたい。そのために、熱海から始める。」という原点を思い出し、これからも熱海のまちづくりに邁進していきます。

今年度立上げ予定の事業など、具体的なプロジェクトについてはまた今後お伝えしていきます。

株式会社machimori 代表取締役
市来 広一郎

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