COLUMN machimoriのブログ

naedoco会員紹介「苗床日誌Vol.3」ー島村 菜々さんのお話ー

2021.11.02 / 5,541 views

こんにちは。naedocoコミュニティマネージャーのみっすーです。
第3回となる「苗床日誌」。今回は2020年から会員であり、熱海に移住されても1年が経った、島村菜々さんです。

いつも笑顔の菜々さん。
お話してると、すごく癒されます。
菜々さんは現在、旦那さんと愛猫2匹で熱海駅から電車で10分程の多賀エリアにお住まいです。
今回は取材でお家に訪問させていただき、熱海に移住するまでのストーリーや現在の暮らしについて
たくさんお話を聞かせていただきました。

「海、空の広さ、街並み、立地、タイミング。
一つ一つのピースが揃い始まった、’熱海での生活’」

「日常にあった、大切なピース。」

−熱海に移住してきて1年。まずは、移住することになったきっかけを教えてください。

出身が藤沢で、生まれた時から日常の中に「海」があったんです。
嫌なことがあった時とか自転車で海にいって、ぼーっとしたり、それが当たり前でした。
2019年に結婚して暮らし始めた東京の文京区は、閑静な住宅街で子供も多く、植物園などもありいい所でした。
でも、疲れて帰ってきた時に駅に人がいっぱいいたり、街が明るすぎて星が見えなかったんです。
あと空が狭いなって。藤沢にいる時は星空が見えて、その星を見ながら帰ったりして。それが好きだったんです。

−菜々さんにとっては、ずっと日常の中にあった「海」や「空の広さ」がすごく大切なものなんですね。
他にも移住を考えるきっかけがあったのですか?

コロナも一つのきっかけです。在宅ワークが増え自粛なども重なりなかなか外に出られず。
すぐ近くに自然で開けた場所というのが少なくストレスでした。もともと夫も自転車で自然の多い場所に行ったりしていて、
2人とも自然や海が大好きでした。よく「野菜作りたいよね」とか「広い家に住みたいよね」っていう話もしていたり。
そういうのもあって最初は夫が好きだった伊豆への移住を考えてました。

−最初は伊豆が候補だったんですね!!確かに自然いっぱいで素敵な場所!!
最終的には熱海に住むことになりましたが、決め手は何だったんですか?

本当は「野菜をつくりたい」とか「広い家に住みたい」というのも実家の近くがよかったんです。
ただ、人気が出てきて土地も高くなって難しいんじゃないかな。って。そこから旦那が好きな伊豆を考えたのですが立地的に
車でも遠いし、新幹線も通ってない。大きな病院とかもなさそうで、伊豆も難しいかな。ってなりました。
他にも平塚や小田原も考えたけどピンとこなくて。
その中で熱海は海と山があって新幹線も通っていて自然や建物の味わいのある雰囲気がどこにもない感じがして2人して
「めちゃくちゃいい!」ってなったんです。私はプライベート的な要素で熱海いいなって思ったんですけど、
夫はそれだけじゃなく空き家率とか高齢化率など課題先進地と言われる熱海で建築士として
「なにか出来ることがあるんじゃないか」という想いもありました。
熱海について調べれば調べるほど、色んなことが見えてきました。市來さんの本を読んだりして熱海ってネームバリューが
すごいけど、その裏では市來さんや三好さんのように動いている人がいる。そういうのを知るとどんどん興味が出てきて。
それで「熱海に行こう!」ってなりました。

−そうだったんですね!
お話を聞いていると、本当に色んなピース(要素)が上手く合わさって熱海に辿り着いたんだなって思いました。
きっと、どれか一つでも欠けると違っていたのかなと。不思議な巡り合わせですね。

「心惹かれる景色がある」

−「熱海に行こう!」と決めてから、今の物件が決まるまではすぐだったのですか?

最初は正直、お試し移住的な感じで熱海の中心エリアで賃貸物件を探していました。
でも、ペット可なところが無かったので少しずつ範囲を広げて多賀エリアでも探しはじめました。
今の家の写真を見た時に海が見えて駅からも近い。ただ、2人とも飲むのが好きで熱海の中心地から離れると不便で。
だいぶ妥協してたんです。そんな想いはありつつも内見の前に長浜のビーチを歩いていたら、実家近くの鵠沼海岸や江ノ島とは全く違った、
田舎の穏やかな海の雰囲気が「めっちゃいい!!」ってなって。
海水もすごく綺麗だし、駅近くにある遊歩道もすごく気持ちよくて。景色にやられました。
その後内覧して、以前住んでいた方のものが置いてあったりと荒れぎみだったのですが、もう景色にやられていたので即決してその場で契約しました。

−その場で契約までするのはすごい!!それだけ、この場所の景色が心に残って決め手になったんですね。
東京から熱海にということでお仕事はどうしたのですか?

東京で暮らしていた時から、ほぼリモートになっていました。
ちょうどその時、「少し、しんどいな」というのもあって「完全リモートでも出来るんじゃないかな」って思っていたんです。
ただ、会社的には難しくて先輩に相談したときに「業務委託」という選択肢をくれました。
それで熱海に来た時にフリーランスになり業務委託という形で仕事を継続しています。

−新しい働き方が見つかったんですね。
ちょうどnaedocoの見学をしてくださった時のことをすごく覚えています!最初は旦那さんがコンタクトとってくれてましたよね!

夫や夫のご両親が「誰も友達もいない状態で家の中でずっと仕事をしていて、大丈夫かな?」ってすごく心配してくれて、naedocoを見つけてくれました。
私自身はあまり気にしてなかったんですけど、熱海で過ごす時間が増えれば増えるほど「熱海で何かしたい、熱海の人と何かしたい。」と思うようになって。
今は、naedocoがきっかけで話が広がったり、橙収穫体験を通して生産者の人の顔が見えたり。
家でずっと仕事をしていたら、知らないことだらけだったんだろうなと思ってます。

【顔が見えるだけでホッとできる場所】

−菜々さんのようにnaedocoをきっかけに街の人や色んな人と出逢えたという事を聞くとすごく嬉しいです。
そして、単純に「熱海で何かしたい!」とか「熱海の人と何かしたい!」というように思ってもらえるのは熱海の魅力であり、
熱海に関わる人の魅力だな〜と思ってます。

naedocoを利用していて色んな人と繋がれたというのはもちろん良い事なんですけど、すごく実感したのは今年の7月に起きた大雨による災害の時でした。
ちょうどその時は夫が仕事で居なくて、1人で家にいました。
土石流の映像やテレビからの情報ですごく不安になって、家の裏も山だし避難すればいいのかも分からなくて。
そんな時にnaedocoからのメールが届いて、他の会員さんの無事とかも分かってすごく安心しました。

−当時は私たちスタッフもバタバタしていました。
でもやはり会員さんの事も気になって、まずは一斉メールで皆さんの無事を確認させていただき、
その後は必要とされる方にハザードマップや交通状況などをお伝えしていました。
菜々さんも、家に1人でいる事などを教えてくださったので、避難先やハザードマップなどを送った記憶があります。

発災後も家に1人でいるのが怖かったからnaedocoに行きました。naedocoに行ってみんなの顔が見えるだけでホッとして。
こういう場所があるのって大事だなって感じました。

−菜々さんが言ってくださった「naedocoでみんなの顔を見たらホッとした」。会員さんにとってnaedocoがそういう存在になってくれると良いなと思います。
naedocoはコワーキングスペースです。でも、使ってくださる人たちにとって「働く場所」という存在だけでなく「naedocoに行くとホッとする」「息抜きになる、気晴らしになる」といったプラスの感情やあったかな気持ちになる場所になることが出来れば嬉しいですし、そういう場所を作り出していくことが私の一つの役目だと思っています。
実際に私自身も発災後にnaedocoで菜々さんや会員さんに会えてお話した時は、なんだか安心してウルっときてしまいました。

−色々とお話を聞かせていただきましたが、最後に菜々さんの現在の暮らしと今後やりたい事を教えてください。

今は熱海にいながら東京の会社の人と仕事が出来ているのが楽しいです。
忙しいと家でやることが多くなってしまうのですが「人と会いたい!」って時にnaedocoに行ったり、新たな情報を得にnaedocoに行ったりしています。
コミュニティツールのslackでも情報は得られるのですが、そういうのって自分の中で自然とフィルターがかかっていたりして目に留まらないものもあります。
でも実際に目に入ることがすごく重要な情報だったり面白いなと感じるので、そういう情報を得にnaedocoに行きますね。
あとは今の仕事をやりつつも、熱海でも何かやりたい、と思っています!色んな人とあって話をしていくうちに「後押し」してくれる人も出てきて嬉しいです。

【自分の好きなもの・大切なものを、大事にするということ】

−菜々さんの事を後押ししてくれる人が出てくるのは、菜々さんの人柄だな〜と感じてます。
いつも笑顔で、初めて会う人に対しても壁がなくて柔らかい感じがあります。そういう人柄に惹かれてみんな後押ししてくれてるんだなと。
私もその1人です!菜々さんのやりたいことを全力で応援します!

今回、たくさんお話を聞かせていただき一番に思ったことは
「一つ一つのピース(要素)が揃ったからこそ、今の生活がある」ということ。
きっとどれも大事なピースでタイミングが合わなかったり、心惹かれる景色や新しい働き方を提案してもらわなければ、
違う生活を送っていたかもしれないし、菜々さんとも出逢えていなかったのかな、と思います。

そして、その一つ一つを菜々さんや旦那さんがちゃんと大事にしていたという事も素敵だなと感じました。
自分の好きなモノや好きなコト、心惹かれるモノ、自分が自分に戻れる瞬間や環境、
そういうものを大切にしていたからこそ一つ一つのピースが合わさり今の熱海に辿り着いた。
様々な物が溢れている世の中で本当に大切なものをしっかりと大事にしているからこそですよね。
私も自分の大切なものをしっかりと大事にして自分らしく暮らしていきたいです。

 

菜々さん、旦那さん、愛猫のウニちゃん・タラちゃん、ありがとうございました。

記事・写真 naedocoコミュニティマネージャー 廣野みすず

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