COLUMN machimoriのブログ

静岡リノベーションまちづくりBoot Camp を実施しました

2020.03.26 / 3,046 views

「まちづくり会社として、民間で自立・自走する事業プランを生み出すための2日間」と題して行った”静岡リノベーションまちづくりBoot Camp ”。

2020年2月15日(土)~16日(日)にかけて、駿東郡小山町、熱海市、賀茂郡東伊豆町の3チームが参加しました。3名のメンターを迎え、プレゼン、ワーク、レクチャーの聴講を繰り返し行い事業プランをブラッシュアップしました。

 

■小山町 地域コミュニティの拠点をつくりエリアの魅力を上げていく

小山町からは、町役場職員1人と地元企業の2人から成る「チームおやま」が参加。

本年度、小山町では30、40代のまちを変えたいと考える事業者と協働し、地域が抱える様々な課題を解決するためにリノベーションまちづくり事業を開始しました。かつて賑わっていた中心市街地には商店がほぼなくなってしまっており、そのエリアを変えていく最初のプロジェクトを考えあぐねていました。

飲食店がほとんどない小山町では、カフェなどのサードプレイスがないことを課題として捉え、そのためにまずはワークスペースをつくろうというプランが出ました。30代〜40代のUIターン者向けに中心市街地の空き店舗を活用したシェアオフィスをつくるプランです。また、今後、2次、3次産業の企業の進出により、2000人が流入する需要が発生するため、そうした方々向けに、町内の空き家に特化した不動産賃貸事業を展開していくことも事業プランとして組み立てました。

 

■熱海市 渚エリアの再生 まずはホステルを軌道に乗せる

熱海市の海辺にある渚エリアの再生に取り組む混流温泉株式会社。この会社は現代美術作家やエリアの不動産オーナーさんなどが立ち上げた会社で、すでに9月にはこのエリアにホステルをオープン。このアトリエ&ホステル ナギサウラは、以前リノベーションスクールで一度改装した物件にさらに手を加えた宿です。

今回この会社の事業を構築することをミッションにジョインしたメンバーがこのブートキャンプに参加。混流温泉のテーマである地域×アートで事業展開していくためにもこのホステルの事業をまず軌道に乗せることが要であり、今回のブートキャンプもその事業計画を明確にすることを目的にしての参加でした。

このブートキャンプ期間中に、どのような顧客に対してどのようにプロモーションしていくのかという点を練り上げました。その中から、ナギサウラで提供するものは「異文化・体験・アートに触れること」による「内省の旅」という方向性を見出しました。

 

■稲取 「活動」から「事業」へのチャレンジ

東伊豆町稲取地区の合同会社so-an(設立準備中)は、地域おこし協力隊卒業生と現役協力隊などのメンバー3名からなるチーム。

稲取は、温泉旅館が多数ある伊豆有数の温泉地。これまでこのメンバーが中心となるNPO法人ローカルデザインネットワークでは空き家をリノベーションした地元のコミュニティスペースの活用や、町外の人へ向けたイベントの運営などを行ってきました。一方、まちの中心のシャッター街化が進んでいることや、現状の活動がなかなか売上を生まないという課題がありました。

結果として、ブートキャンプの前後で事業プランは見違えるように進化。たくさんあったやるべきことも一つに絞られ明確になり、コンセプトや収支計画もはっきりとしてきました。稲取のまちのファンを増やしていくための、港町「伊豆稲取」の暮らしを旅する新感覚の宿、をオープンに向けて準備していくことになりました。

 

■ブートキャンプを通した各チームの変化。「明日からでも動き出せる」事業計画に。

ブートキャンプの中ではメンター陣からも「お金と向き合うこと」が多数フィードバックされていました。どんなに良い事業も事業として継続してこそ、エリアを変えることにつながります。結果としてどのプランも今後の収支も見えた事業プランとなりました。

絶対に行動に移すと決意が固まった人、メンバー同士の波長と認識が合ったと感じた人、一つずつ丁寧にやっていくことの大切さを学んだ人…と、思うことはそれぞれでしたが、たった2日間だけであったにもかかわらず、どのチームも方向性が決まり、「明日にでも動けるようになった」と、会場にいた全員が変化を感じました。

 

■ブートキャンプから1ヶ月後。報告会。

キャンプから約1か月後の3月11日(水)には、静岡市内で3チームによる報告会が行われました。

まちづくりの取り組みを始めたきっかけや、キャンプ後の活動の様子やまちの人たちの反応等をトークセッションで語り合いました。

この1か月間だけで、会社設立の申請をしたり、物件を見学しに行ったりと、どのチームもかなり前に進んでいました。また、まちの人たちからもポジティブな反応をもらっているようです。

 

報告会の様子の動画を配信しているので、ぜひご覧ください。

https://youtu.be/XMmnFHmxb4g

 

今回のキャンプでは、まちづくり会社同士の横のつながりを作ることも目的の一つにあり、互いに質問やアドバイスをしながら進めてきました。静岡県内には、さまざまな課題を抱え、それぞれの地域の特性に合わせたまちづくりに取り組んでいる組織がいくつもあります。こうしたまちづくり会社は各地域の中では孤独な存在です。ビジネスの面や、地域の方々との関係づくりなど様々な壁にぶつかり苦しくなることもあります。けれど、「そんな同じような経験をして、前に進もうとしている仲間が他の地域にいるのは心強いこと」そんな風に語る参加者もいました。

自分だけでは難しいことも、地域の方はもちろん、他の地域と手を取ることで解決できることがあるかもしれません。このキャンプを機に、県内のまちづくりがより盛り上がることを期待しています。これをきっかけに走り始めた各地域のこれからの動きにも注目です。

 


 

静岡リノベーションまちづくりBoot Camp

主催:静岡県 企画・運営:株式会社machimori  事業名:静岡県リノベーションまちづくりサポートミーティング