「海辺のあたみマルシェ」で私がやりたいこと。8月のあたみマルシェをRoCAで開催した目的とは?
machimoriスタッフの安藤(一児の母)です。「海辺のあたみマルシェ」としてはじめての試み、10日間の常設マルシェ「Local Craft Collection」が予想を上回る来場者と反響をいただき、嬉しい悲鳴とともに運営側があたふたする事態(汗)でしたが、今は無事に終わりほっとしています。
常設マルシェとしては初の試み
海辺のあたみマルシェは、銀座通り商店街周辺の空き店舗の解消のため、新たに創業する店舗の発掘を目的として2013年11月からはじまりました。2018年11月の開催で第33回になり、5周年を迎えます。
基本的に2ヶ月に一度の定期開催を行なっていますが、今回は、あたみマルシェの次なるステップアップを目指し、従来とは一味違うかたちに挑戦しました。テーマは、これまで開催してきたなかで見えてきた課題の解決と、しばらく閉ざされていた「あの場所」の活用です。
RoCAの奥がギャラリースペースになりました。
マルシェの出店は、屋外かつ朝から夕方までという長時間拘束。出店者の方々には、体力的にも時間的にも負荷がかかります。また、銀座通りを歩行者天国にしていたことで、交通渋滞を招くという問題もありました。8月は観光客が増えることで、いつも以上に交通渋滞が起こる時期。ただでさえ地元の人は困っています。両者の解決と、「あの場所」を開放して、多くの人にその場所の可能性を見てもらいたい! という思いから、今回はシェア店舗「RoCA」の奥をマルシェの会場にすることに決めました。
店頭に立ってみて感じたことは、「RoCA」のファンが多いこと。前身の「カフェRoCA」がこのエリアを育ててきたことにはじまり、今入居している「QUARTO(クァルト)」や「LaDOPPIETTA(ラドッピエッタ)」が地元のまちの人にはもちろん、観光客からも愛されるコンテンツに育ってきていることが大きいです。夏は一日に2000人もの人が商店街を通ります。銀座商店街の人たちやまちのエネルギーが一体になって人を呼んでいるんだな、と肌で感じました。
オープンスペースでは、コーヒーやジェラートを食べながら、ゆっくりと作品を見ることができます。
会場には、過去の出店者さんの中から、伊豆を中心に活動されている9店舗のクラフト作家さんの作品が並びました。通常の屋外マルシェとは違い、屋内でゆっくりと作品を見ることができたり、作家の在廊日には直接話もできます。熱海に来た思い出にと、まるで作品と会話をしているかのようにじっくりと会場内を行き来するお客様の姿を多く見ました。
手作りのアクセサリーを目の前にして、興奮しながら店内に入ってくる20代の女の子たち。たまたま旅行で来て、予定していなかった「自分へのご褒美」を見つけて、作品と一緒に嬉しそうに帰って行く姿には、こちらまでほっこりと嬉しくなりました。
広報や営業で走りまってみて感じたことは、atamista&machimoriが歩んできた年数分、まちの中にatamista&machimoriのファンが多くいるということ。
「海辺のあたみマルシェです!チラシお願いします(置いてください)!!」
というだけで、
「はい!(いつものね)わかったよ!!」
と明るい返事が返ってくる。
これは、海辺のあたみマルシェをつくってきた歴代のスタッフが流した汗の量と、彼らがまちやまちの人を愛する気持ちが伝わった結果です。これを受け継いで成長させていくことが私のミッションなんだな、と強く感じました。
実際に、今回10日間の会期中の全体売り上げは128万円、一日換算で12万円強。全体で約700点の作品をお客様の手にお渡しすることができました。冒頭でも書かせてもらいましたが、予想以上の来場者数だったのです。これまでのマルシェの売り上げから算出した予算が4万円(一日換算)ということを考えると、大成功と言えるでしょう。
クラフト作家さんと会える、作品と一緒に物語を持ち帰ることができます。
また、今回の出店者さんの半数以上がママさんでもありました。ある作家さんからお話しを伺ったところ、最初は子育てをしながら趣味程度の手作りだったけど、自分が作ったものが売れた時の嬉しさや感動が、その後の作家としての活動の原動力に繋がったそうです。作品や作風は模索の連続で、私でしか作れない心に刺さる作品を追求したいと話していました。
熱海ではクラフト作家さんが発表する場が、まだまだ少ないと聞きます。趣味から始まった作品作りが、いろんなママたちの人生を支え、次なるステップアップにつながる可能性を生み出します。実際に、これまでのマルシェの活動を通して、コンテンツが育つ様子を見てきました。そういった機会創出の場を、今後も海辺のあたみマルシェとして支援していきたいです。