COLUMN machimoriのブログ

「ハイヒール」から「ビーサン」に変わった毎日。めめちゃんの場合

2019.03.15 / 5,940 views

静岡県の一番西、湖西市出身の藤田恵です。目が大きいので高校の時から「めめ」と呼ばれています。
今回は、なぜ私が全く地縁のなかった熱海、そしてmachimoriで働くことになったのかをお話ししたいと思います。

窓口業務がどうしても苦手だった

 

小中高とバレーボール三昧で全国大会に行くほど毎日ボールばかり追っていました。勉強はあまり得意ではなかったのですが、自分が知らない言葉を使って笑いあっている人たちがかっこよく見えて、英語だけは好きでした。大学も国際コミュニケーション学部に通い、短期でオーストラリアに留学もしたりしました。

新卒で地元のJAでテラー(窓口業務)として3年働きました。JAに就職を決めた理由は、実家から通えるところがよかったのと「新卒で入るならベンチャーとか不安定な企業より、安定した企業の方がいいな」という、ふわーっとした考えからでした。

入組してみると、当初から自分で提案して行動できる業務がなく、デスクに座ってお客さんを待つ日々。それがどうしても苦痛で、窓口担当者にも関わらずフロアに立ってキャンペーンの推進ばかりしていたので、当時の上司にはよく「戻って事務仕事して」と言われていました。

本格的に「辞めたい」と思い始めたのは2年目の頭でしたが、ちょうど関わっていた相続の手続き業務が、必ず将来的に役に立つ時がくると感じて、「これが一人前にできるようになったら辞めよう」と決めました。

3年目、相続手続きも一人でできるようになり、あとここで何を学びたいかを考えたときに、驚くほど何も出てきませんでした。と同時に、一日の中で多くのウエイトを占める「仕事」にやりがいを見つけたいと思いました。すぐにやりたいことはパッと出てこなかったのですが、とにかく「これじゃない!」と思い、その2日後には支店長に退職の意思を伝え、3か月後には次の仕事も決めずに辞めました。

「選択肢を与えられる人」になるために

 

次の仕事は、県内かいつか暮らしてみたいと思っているマレーシアがいいと思い調べていました(実際にマレーシアの企業の面接をスカイプで受けたりしていました)。実家から通える条件で最初の仕事を決めたくらいなので、もともとは地元がよかったのですが、なんと、私が転職を考え始めたときに、両親が離婚し、妹は韓国に嫁ぐというスペシャルな出来事が起こりました。
当時はもちろん思うところはありましたが、起きてしまったことはしょうがない、この家族解散を機に「わたしもやりたいことやろう!」とポジティブに考えるようになったのです。

仕事内容は、人と関わりつつ自分で決めていける仕事がいいなと思っていたところ、たまたま初島旅行を考えるなかで、ゲストハウスMARUYAを知りました。それまでゲストハウスには1度も泊ったことはないし、熱海も訪れたことはないけれど、単純に面白そうだなと思ったのと、MARUYAを運営するmachimoriが手がける「まちづくりって何をするんだ?」と思ったこと、あとはHPの募集人材のところに「行動力があり一緒に会社を作っていける人」というのに惹かれました。

私の同級生には、すでに結婚して子供が二人いたり、新居を建てたりと、親として頑張っている子たちが多くいます。それが悪いとかうらやましいというわけではなく、私は「今」というのは全部自分が選択したことの連続で、自分が自由に動ける「今」を興味があることに注ぎたいと思っています。いつか自分にも子供ができたなら、これまでの経験の中から一つだけじゃなくて、たくさんの可能性や選択肢を話してあげて、自分で選択できる大人になって欲しい。

まず自分自身が「選択肢を与えられる人」になるためには、私の中の選択肢の引き出し増やそうと思い、machimoriに履歴書を送りました。

「流されるタイプ」だからこそ向いていた

 

私は割と流されるタイプというか、人の話を聞いて「あ!面白そう」「やってみたい」ということがたくさんあります。
machimoriの面接のときに「あなたが人生で大切にしていることは何ですか」と聞かれ、「行動力と好奇心」と答えました。いくつになっても知らないことを聞いて驚いたり、楽しんでいたいし、自分が興味があることに力を注ぎたいと思っています。

熱海にはこれまで一度も来たことはなかったため、知り合いが一人もいないところから熱海生活がスタート。毎日ストッキングにハイヒールという生活から、裸足でビーチサンダルの生活に変わりました。

住む場所も決めずに来たので、移住後1ヶ月間は、MARUYAに泊まることもありました。その後もなかなか住居が決まらず、3ヶ月間は廃墟状態の空き物件に暮らす生活。夏は不具合でガスが止まってしまい、太陽の熱で配管が温まっている間しかお湯が出ないという過酷な状況で、シャワーを浴びていたりしました(笑)。

当初は知らない人ばかりでしたが、今では薬局のお母さんや焼き鳥屋さんのお母さんに会えば肩を優しくたたいてもらい、月3回くらいの頻度で通っているおでんやさんでは、一人で飲んでいても全く寂しさを感じることなく、熱海になじんできているのを実感します。

「こんなことしたいね」だけだとダメ

 

MARUYAでは、掃除や予約の管理、チェックイン対応などの基本となる仕事をしつつ、目標の進捗率の共有と、稼働率向上のために新しいプランやオプションの作成を担当しています。
私が入社した時のミーティングの内容は「こんなことしたいね」とか「あれ気になっているんだよね」という話し合いをしていました。みんな同調するものの、次の週になれば、また新しい課題や問題が起きてしまい、解決や実現がしないまま、やりたいことや課題だけが増えるという状況でした。
まずはしっかりと担当と締め切りを作ることが大事だと考え、毎週行っているミーティングのファシリテートをしたいと申し出ました。会社が目標としている売り上げや稼働率をどうしたら達成できるか。どうしたらスタッフがモチベーションを保って日々のゲストを迎えられるか。目標に関しては毎週達成率をパーセンテージで出力し、数字という目に見える形で自分たちの頑張りを確認しています。

その甲斐もあってか、この体制に変更した9月からテラスの売り上げに関しては毎月達成をしています。

1月から販売している女子向けプランは、もっと女性に来ていただきたいし、ゆっくり熱海やマルヤを楽しんでほしいという思いから作りました。
実際に、自分が作ったプランに予約が入るのはとても嬉しいですし、ゲストさんに感想を聞いたり逆にどういうものがあったら嬉しいかを聞いて、「より良いものを作ろう!」と自分のモチベーションを上げることにも繋がっています。
今後も稼働率や売り上げについては目標を追っていくのはもちろんのこと、加えて利益率と満足度の向上にも注力したいと思っています。

MARUYAテラスで開催したリース作りのワークショップ。

 

今後MARUYAでは、宿とまちを接続し全体を体感してもらう「まち宿」をゲストに楽しんでもらう施策を作りたいです。自分自身の目標としては、興味があることの軸を明確にして、仕事面でもライフスタイルでも深めていきたいと思っています。

短期の目標としては、もともと花や緑に興味があったのですが、最近は関心がより高まっていて、4月から中国で開催される国際園芸博覧会に足を運んでみる予定です。

さらに、そこで得た知識やアイデアを生かし、創業支援プログラム「99℃」に参加されていた、「伊豆の杣人舎(伊豆森林の管理や植物を用いた空間ディレクションなどを行う団体)」のサポートをしたいと考えています。
熱海がよりグリーンを感じられる場所になるよう、私なりに一歩ずつできることを動いていきます。

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